ウラカタ向け

AIで何でも自由にできるわけではない、得意と不得意を見極める目が裏方の仕事を増やす

AIを仕事に取り入れ始めると、多くの方が一度は同じ壁にぶつかります。

AIで楽になるはずだったのに、なぜか前より作業が増えている、という壁です。

出てきた案が多すぎて選べなくなったり、出力をそのまま使って、あとからクライアントさんとの認識違いが起きたり、そんな場面を僕は何度も見てきました。

AIは使い方次第で強い味方にもなりますし、扱い方を間違えると、逆に手間を増やす存在にもなってしまいます。

どちらも、AIが悪いわけでも、使っている人が悪いわけでもありません。

大切なのは、AIに振り回されるのではなく、AIをどこで使うかを自分で決められるようになることです。

原因の多くは、AIの使い方が下手なことではなく、AIに任せていいことと、任せてはいけないことの線引きが曖昧なままになっていることです。

今日は、その線引きの考え方を整理してお話しします。

ここがはっきりすると、AIを怖がりすぎることも、期待しすぎることもなくなり、落ち着いて仕事に組み込めるようになります。

AIを使い始めたばかりの方も、すでに毎日使っている方も、自分の使い方を見直すきっかけにしてみてください。

AIが得意なのは量と型と叩き台のスピード

まずAIが得意なことからです、一つ目は量を出すことです。

文章のパターンを何通りも出す、画像の候補をいくつも作る、こうした、まず数を出す作業はAIの独壇場です。

人が手作業でたくさんの案を考えていたら長い時間がかかることを、AIならあっという間に並べてくれます。

しかも、何度頼んでも嫌な顔をせずに、すぐに新しい案を出してくれます。

量を出す作業をAIに任せるだけで、人は考えることや選ぶことに、より多くの時間を使えるようになります。

二つ目は、型があるものを整えることです。

LPの構成や配信の骨組みのように、ある程度決まった型に沿って組み立てる作業は、AIがとても得意とするところです。

三つ目は叩き台としてのスピードで、白紙に向き合う時間を短くしてくれる、この一点だけでもAIを使う価値は十分にあります。

ゼロから考え始めるより、叩き台に手を入れる方が、ずっと気持ちも楽になります。

この三つに共通しているのは、正解が一つではなく、たくさんの候補の中から選べばいいものだ、という点です。

型があって、量が必要なものは、まずAIに任せてみる、これが一つ目の判断軸です。

文字起こしから議事録の形に整える、簡単な画像を作ってみる、といった身近な作業から試していくと、AIの得意な範囲が体でわかってきます。

小さな作業で得意なことを体感しておくと、大きな案件でも、どこでAIを使えばいいかがすぐにわかるようになります。

まずは一つ、自分の作業の中からAIに任せられそうなものを選んで、試してみるところから始めてみてください。

AIに任せてはいけない四つのこと

次に、AIが不得意なこと、というより、任せてはいけないことです。

一つ目は、そのクライアントさん固有の事情を汲み取ることです。

AIは一般的にありそうな悩みしか知りません。

目の前のクライアントさんが実際にどんな状況で、何に一番困っているかは、直接聞いて汲み取るしかありません。

どれだけ賢いAIでも、話を聞いていない相手の本当の悩みまではわかりません。

ここを人が丁寧に聞き取っているからこそ、AIに渡す情報の質も上がり、叩き台の精度も上がっていきます。

二つ目から四つ目は、次のとおりです。

  • 事実確認、AIは実績や数字をそれらしく作っても、本当かどうかまでは教えてくれない
  • 最終的な判断、この表現で出していいか、世界観に合っているかは必ず人が決める
  • 信頼を積み上げる言葉、その人にしか語れないエピソードを足すのは人の仕事

どれも、最後に責任を持つのが人である以上、人の目と手を通さなければいけない部分です。

そして、この四つはどれも、クライアントさんとの信頼に直接関わる部分でもあります。

ここを人が担っているからこそ、AIを使っても仕事の質を保てるわけです。

その人固有の事情や、信頼が関わるものは、最初から人が担当する、これが二つ目の判断軸です。

AIの出力はそのまま採用するものではなく、判断の材料として使うもの、という位置づけを忘れないでください。

判断の材料が増えるほど、人がしっかり判断する役割はむしろ大きくなっていきます。

AIが出した案は、自分で考えるときの参考意見の一つ、くらいに捉えておくのがちょうどいい距離感です。

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広げるのはAI、絞るのは人

AIに相談すると、聞いた以上にたくさんの案を返してくれることがあります。

一見お得に感じますが、量が多すぎると、今度はその中から何を選ぶかで時間を取られてしまいます。

AIで逆に手が止まってしまう人の多くは、ここでつまずいています。

案を広げる作業はとても楽しいので、つい広げ続けてしまいますが、そのまま選べない状態に陥ってしまうことが多いんです。

広げた案をすべて並べてクライアントさんに見せてしまうと、今度はクライアントさんが選べなくなって困ってしまいます。

広げるのはAI、絞るのは人、この役割分担を覚えておいてください。

広げるだけ広げて、そこから何を残すかを決める作業まで含めて、初めてAIを使いこなしたと言えます。

最初から、案をいくつまでに絞るか、何を基準に選ぶかを決めてからAIに頼むと、迷う時間をぐっと減らせます。

クライアントさんに見せるときは、絞り込んだ上で、なぜこの案を選んだのかを一言添えて出すと、判断もしやすくなります。

例えば、バナーを五案ほど見せてほしいと頼まれたときは、まさに型と量の仕事なので、AIで一気に案を出すのに向いています。

一方で、その中からクライアントさんと一緒に一つを選び、細かい修正を重ねていく段階からは、自分の手と判断で仕上げていく場面になります。

同じ作業でも、段階によってAIと人の役割は入れ替わります、今この作業はどの段階なのかを意識するだけで、AIに頼むべきか、自分でやるべきかが自然と見えてきます。

最初の案出しはAIで、仕上げは人で、この流れを身につけておくと、作業の組み立てに迷わなくなります。

出力を見極める目が、これからの価値になる

一番危険なのは、AIの出力を見て、なんとなく良さそう、で採用してしまうことです。

良さそうに見える文章ほど、中身をよく読むと根拠のない一般論だったり、事実と違う内容が混ざっていたりします。

しかもその文章がそのまま世に出てしまえば、クライアントさんの信用に関わる問題になってしまいます。

そうならないためには、読み手の立場で一文ずつ確かめる、地道な確認が欠かせません。

AIの文章はどれも整って見えるので、ぱっと読んだだけでは問題に気づきにくいのが難しいところです。

誰でも同じようにAIから文章や画像を出せる時代だからこそ、それが良いか悪いかを判断できる人の希少性は上がっていきます。

AIの出力を評価できる目を持つこと自体が、これからの裏方ワーカーにとって大きな価値になります、出力を見極められる人は、AIをいくら使っても品質を落とさずに済むので、クライアントさんから安心して任されるようになります。

見極める目は、一度にすぐ身につくものではありませんが、出力を一つひとつ確かめる経験を重ねるほど、確実に育っていきます。

出してもらった案を鵜呑みにせず、一度立ち止まって、これは本当に正しいか、この人に合っているか、と確かめる癖をつけてください。

AIに仕事を奪われるかどうかは、使いこなせるかどうかで決まります、使いこなす側に立てれば、AIは仕事を奪う存在ではなく、仕事を増やしてくれる存在に変わります。

まとめ、今日のポイント

AIが得意なのは、量を出すこと、型を整えること、叩き台のスピードです。

反対に、人が担当する領域は、次の四つです。

  • クライアントさん固有の事情の理解
  • 事実確認
  • 最終判断
  • 信頼を積み上げる言葉

この線引きを持っていれば、どんな新しいAIが出てきても、慌てずに使いどころを判断できます。

どちらも大切な役割で、どちらか一方だけでは良い仕事にはなりません。

AIに任せる部分と人が担う部分が噛み合ったとき、仕事は本当の意味で軽くなっていきます。

迷ったときは、型と量で判断できるものはAIに、人にしかわからない事情や信頼が関わるものは自分に、という線引きに立ち返ってください。

任せる範囲を決められる人ほど、AIで本当に仕事が軽くなります、一つひとつの作業で、これはAIか、人か、と考える習慣をつけることから始めてみてください。

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